11月6日「気一元論」

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冬の寒さに近づいてまいりました。夕暮れも早くなり、気分も落ち込み易い時期かもしれませ
ん。今回はそんな気分を吹き飛ばすために、体のことから離れた内容にしたいと思います。
前書きとして・・・
これまで漢方漢方と何度も書いてきましたが、漢方は5~6世紀に中国から伝わったものを日
本が独自に発展させた医学であり、中国で古代から発展してきた医学の中医学とは区別されて
います。日本では一般に両者を区別せずに漢方と言っていることが多いので、こちらでも漢方
と書いておりますが、今回は区別して、中医学について書かせて頂きます。
中医学は五行学説、陰陽学説、気一元論という考え方をもとにしていますが、これらは自然、
宇宙の成り立ちまで考える壮大な学問から生まれたもので、それらを人体に応用することで中
医学は独自の理論体系を発展させてきました。今回は気一元論について少し触れたいと思いま
す。
中国古代の思想家たちは、世界は何からできているか、自然はどうして変化しているのかとい
うことを考え、すべての現象について当てはめることができる理論を見つけ出そうとしまし
た。 それが‘気’です。気は物質どうしを媒介し、自然界全体をも一つにつなげるもの
である(『荘子』天下篇)とし、気は宇宙が進展変化する最初に宇宙全体に充満していた混沌
としたもの、無形のもので、その集合によって有形な物体が形成する原始的物質であり、すべ
ては気からできている(『春秋繁露』玉英第4)と考えられました。
上述したような世界を構成する気を広義の気とするのに対し、中医学での気は気血水の中の一
つであって、概念的な広がりは狭く、狭義の気とされています。広義の気の理解を深めること
で、もっと広い中医学の世界が見えてくるかもしれません。