7月21日「二種類の水」

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暑い日が続き、汗についての悩みが多い時期です。汗をかきやすい、寝汗がでる、何もしてい
ないのに急に汗が出てくる、首から上だけ汗が出る、汗がベタベタして気持ち悪い等様々な汗
の悩みがあります。汗というと、皮膚から出るものなので、皮膚をどうにかしようと考えてし
まうことも多いですが、体の中の問題であることが多く、ここは漢方の出番であります。発汗
は一般には体温調節するための手段ですが、漢方では水分を排泄する一つの手段として重要視
しています。汗は特に脾、肺、腎の臓※1が深く関与することで作られていますが、適度な汗
が出るかどうかはこれらの臓が正常に働いているかに加えて陰陽のバランスが大切です。ま
ず、臓が正常でなければ汗や尿として出るべき水分が排泄されずむくみの原因になり、その水
は臓の働きを邪魔します。一方、陰陽のバランスについては、陰陽いずれに偏っていても悩み
の汗の原因となり、過剰な汗は陰陽のバランスも乱します。更に、陰陽のバランスの乱れはす
べてのものに関与し、臓のバランスも乱しますので両者は切り離すことのできない関係にあり
ます。
過剰な汗とむくみは、しばしば同時にみられます。一見矛盾するようですが、臓と陰陽の失調
が一緒にきたとすれば納得できます※2。すなわちむくみとなった水は汗や尿になれなった水
であり、過剰な汗は汗となるべきではなかった水であると考えます。陰陽と臓は密接に関わっ
ていますが、この二つの水は同じ水として関与しあうことができないのです。
暑い夏は始まったばかりです。二種類の水ができないよう、体に負担のかけない生活をしてい
きたいものです。
※1西洋医学の臓器とは違い、機能により五臓(心、肺、肝、脾、腎)に分類しています。臓
器と言わず臓といいます。
※2汗とむくみの原因は他にも色々考えられます。これはその一例です。