各疾患について

Conditions

Headache

頭痛

頭痛はお悩みの方がとても多い疾患です。頭痛の原因の一つに、風邪や天候のような外からの影響によるものがあります。漢方では、風邪などの影響はまず高いところから受けるとされており、それらが頭の気や血の流れを邪魔することで頭痛が起こります。
一方、頭痛には体の外部からではなく、内部からの影響によるものがあります。これにはいくつかの要因がありますが、例の一つに、ストレスよるものがあります。人はストレスをうけると、気をうまく発散できずにため込むようになります。たまり過ぎた気は熱となって、上にのぼり、頭に行き頭痛となります。この場合、漢方では、まず発生してしまった熱を冷ましてあげますが、その後頭痛が発生しにくい体質にするため、気をうまく発散できるような体、つまりストレスを感じにくい体になることを目指します。
また、頭痛は血の不足によっても発生します。頭は酸素をとても必要とする所なので、それを運ぶ十分な血液が必要です。そのため、血液が不足すれば、頭痛やめまいが起こりやすくなります。血が足りないというと、すぐに鉄分を補おうということになります。確かに、無理なダイエットをしたり、食事のバランスが悪ければ、食事からの不足ということになります。ただ、普通の食生活を送っている場合、それ以外の要因、例えば女性の場合月経過多や、胃腸が弱くて鉄分を上手く吸収できない場合、血液が作られる面での問題なども考えられます。漢方では、これらの色々な要因を考えながら、普通の食生活のなかで血が不足しない状態を目指していきます。
例の3つめとして、血流の悪化を原因としたものがあります。血流の悪化といえば、単純に血流を良くするという結論になりますが、これにも、疲れ、運動不足、などの要因が考えられます。
頭痛は上記の状態が単独で起こるのではなく、これらが相互にからんでくることが殆んどで、よくご相談をうける女性の生理前後の頭痛もこれに相当します。当薬局では生活背景を伺いながら、血流が悪い⇒良くする という解決法ではなく、血流が悪い原因、つまり原因の原因となるものを探して、頭痛が起こりにくい体を目指します。 

頭痛の相談事例

50代 女性
仕事のストレスが多く、ちょっとしたことでイライラする。イライラが酷くなると頭痛が起こり、雨の前や、台風が近づくと頭痛がさらに激しくなる。ズキズキとした激痛に耐えられないため、長年も前から鎮痛剤を日に3~4回は服用しているがあまり効き目がなく辛いときには寝込んでしまう。
⇒この女性は、ストレスに加えて、頭痛による疲労によって血流も悪くなっていたため頭痛になったと考えられます。血流が悪くなると、天気の影響も受けやすく、頭痛が酷くなります。
直接の原因としてストレスのたまる仕事、天気の影響がありますが、もともとの原因は、更年期によって、ちょっとしたことでいらいらしやすいことにあると考えました。
そこで漢方薬は、まず更年期の状態からくる肝と腎の乱れを整えて、イライラしにくい体質にかえることを方針としました。これによって前よりもイライラしにくくなり、自然と頭痛の程度も減っていったとのことです。天気による頭痛は一年ほどは続きましたが、血流の改善をすると共に少しずつその影響は減り、服用して2年たつ今は天気の影響をほとんど受けていないようです。

Back Pain

腰痛

腰痛は若い方から高齢の方までご相談の多い疾患です。若い方に多い要因の一つとして腰周辺の血流の悪さを原因としたものですが、これは、長時間のデスクワーク、運動不足など生活習慣が絡んでいることが多いので、もとの原因を取り除くとすれば、生活改善が必要です。しかし慢性的な腰痛になってしまうと、生活改善だけだは治らないことが多く、そもそも痛くて歩くこともできなくなります。そこで漢方では、血流の滞りを除いて、歩ける状態になることを目指し、その後は日常生活の中で積極的に歩くことでより改善されやすくなります。
腰の周辺には沢山の内臓がありますが、漢方では腰と内臓の状態は密接に関係していると考えています。内臓の中でも腰痛との関連が深いとされるのが五臓の一つ腎です(西洋の腎臓とは異なります)。腎はホルモンとも関係していますので、女性の月経に問題がある場合にも腰痛の原因となることがあり、この場合漢方で生理不順が改善されれば腰痛も改善されることが多くあります。また、腎は年齢と共に衰えてきます。高齢の方の腰痛に多いのが腎の衰えによるもので、この場合漢方では腎を補い強くすることを方針とします。腎を強くすることは腰痛に対してだけでなく老化を防ぐことにもつながります。また、腎の状態は腰へ影響を与えますが、逆に腰の影響も腎に影響を与えます。
また、腰は、冷房や湿気など外気の影響を受けることがあります。もともと冷え性の人や、腎など内臓が弱っている人などは外気の影響を受けやすいものです。この場合、まず外気の影響を腰から取り除くと共に、冷え性の改善や内臓を強くすることで外気の影響を受けにくい体質にする必要があります。
さらに最近はストレスが腰痛の要因になることもあります。ストレスは頭に血を上らせて、体の下の方にある腰は栄養が足りない状態にしてしまいます。この場合は漢方で行き過ぎた頭の血を腰の方へ下ろしてあげる必要があります。ただもとの原因はストレスです。ストレスのたまらない生活をしないと再発する可能性があります。運動は全身の血流をよくして、均一にしてくれるとても有効な予防策です。

腰痛の相談事例

50代 男性
パソコンで一日中座りっぱなしの仕事をしている。帰りは深夜になることが多く、寝不足とストレスを感じている。3年前に腰からおしり、太もも後ろ、ふくらはぎ、足の甲にかけて激痛が走り、2カ月ほど起き上がるのも辛い日が続いた。椎間板ヘルニアと診断され、痛み止めや、整体の治療を受けたが、痛みは相変わらず強く、足の痺れもひどくて立つのもやっとの日々を過ごしている。手術も勧められたが、出来れば避けたいと考えており、何とかならないかと来局。
漢方を服用して一か月ほどは腰から足にかけの変化はなかったが、寝つきがよくなり、ぐっすり眠れるようになった。また、イライラ感が減り、仕事への集中力が増したようとのこと。
服用して一か月半ほど経って、足に強い痛みが3日間ほど続いたのち、痛みは減り、痺れが少し楽になった。その後1カ月ほどは痺れが増えたり減ったりを繰り返したが、以前より立つことや歩くことに苦痛を感じないようになっていった。おしりの痛みも気にならなくなる。このころから、積極的に歩くことを勧めた。
服用後4か月経ち、腰の痛みが急に強くなった。10日ほど痛みは続いたのち、腰の痛みも急に減った。服用して1年になるが、たまに痛みがある程度でほとんど気にならない。

⇒この方の場合、痛みが改善される前に一旦強く痛みが出ていますが、これは瞑眩反応といい、漢方ではこの反応が起こったのちに症状が改善されることが多くあります。痛みの症状がある方の多くにこの反応があらわれます。

Irregular Cycle

生理不順

漢方では、脾・肺・腎・肝・心の五つを五臓といいますが、婦人科疾患では肝の異常が多くみられます。肝は血を蓄えるところ、気の流れを調節するところですが、ストレスや血の不足により肝の乱れが生じると多彩な症状が現れてきます。生理不順もその一つです。周期の乱れや量の異常や痛みなどの症状があらわれますが、生理前後の気持ちの浮き沈みも大きな悩みとなって日常生活に支障をきたします。
気分が乱れる原因の一つに、生理の時の血の動きが活発すぎたり停滞することで、気(気分に関わるもの)の動きが異常になって調節できないことがあげられますが、逆に気の動きが異常であっても血の動きに影響を与えて周期や量などに影響を与えます。
このように、血と気は密接に関係しているため、血の問題だけでなく、気持ちを安定した状態にしないと生理の状態も安定してきません。漢方では血と気両面から良い状態になることを目指します。
女性にとって生理は健康のバロメーターです。若い時にその場しのぎをしていますと、更年期の時期に影響がでる可能性があります。予防のためにも、体のサインをしっかり受け止めることが大切です。 

生理不順の相談事例

20代 
生理は20日に一回、生理前のイライラや胸のはりが気になる。生理中は吐き気と頭痛や下腹部の痛み、腰のだるさがひどく、痛みどめを飲んでいても寝込んでしまう。出血量は多くレバー状の塊がたくさんでる。子宮内膜症と診断されたが、漢方で何とかならないかと来局。
漢方を服用して8日後に生理が来たが、生理前のイライラは減っており、生理痛と吐き気はいつもより楽になった。塊は相変わらずで出血量も多い。次の生理では周期が25日になり、イライラと胸のはり、生理痛もほぼなくなり鎮痛剤は飲まなくても我慢できるようになった。塊も量も少し減った。服用して4回目の生理では、周期が31日で塊はまだ少しあるが、量は以前の半分程度に減り、その他のトラブルはなくなったとのこと。その後も半年ほど服用しているが、周期はほぼ28日になり他の症状も落ち着いている。また、以前より疲れにくく、顔のシミが減ったと喜ばれている。
⇒この方の生理不順の主な原因は気の巡りが停滞したことによる血流の乱れと考えました。上に書きましたように、血と気の動きは連動しており、気の流れが停滞すると、血の流れも停滞し、ダムでせき止められた川のようになります。流れをせき止められた川は濁り、ものすごいエネルギーを蓄えて、せきから早く出ようとします。これによって生理の周期は早められ、濁って塊となった血がせきを切ったよう大量に出てきます。
漢方を服用後に生理周期は一旦31日と長めになり量も減りましたが、これは、それまで周期が短く出血が多かったことで血が不足している状態でしたので、漢方を服用することで自身の調整能力が復活し、周期を延ばして体内の血の量に余裕を持たせようと働きかけたためと考えられます。

Menopause

更年期障害

更年期は、これまで体に負担をかけてきた蓄積が、症状として一斉に出現しやすい時期です。精神的にもかなり辛いといわれる方が多く、蓄積が多ければ多いほど漢方による改善にも時間はかかります。また、体の変化を迎える時期ですので、良くなったり悪くなったりの波がでやすいという特徴があります。しかしここで体を整えて蓄積を取り除いてあげることで、更年期以降が過ごしにくくなります。
更年期障害は、西洋医学からすれば女性ホルモンの減少による影響ですが、漢方では閉経と共に腎が衰えることによる影響と捉えます。腎は肝にも影響を及ぼすため、もともと肝に乱れのある方ではそれまでの状態が一層酷くなって現れてきますし、異常のなかった方でも腎の衰えによって発生しやすいと考えられます。漢方では、腎の衰えの状態に応じて補強したり、肝の乱れがあればその調整などを行いますが、ひとえに更年期障害といっても、イライラ、動悸、不眠、倦怠感、食欲不振など人によって様々です。当薬局では更年期障害とひとまとめにせず、お一人お一人の状態に合わせて対応していきます。

Cold Sensitivity

冷え性

冷えは日常的に感じる症状ですが、冷えで漢方を服用したいと思われる場合、日常生活に不便を感じるほどのものとなっていることが多く、女性だけでなく、男性にも多いお悩みです。
冷えの原因は、大きく分けると内臓の暖める作用自体が低下している場合、内部の温める作用は働いていてもその熱が体の表面まで到達しない場合にわけられます。原因としては前者の場合、高齢による衰えや、胃腸の衰弱や疲労などによる内臓の機能の低下などが考えられます。また、熱はあっても表面まで到達しない場合は、ストレス、睡眠不足、運動不足、疲労などによる気や血の巡りの悪化などが考えられます。
冷えというと温めればいいと思われがちですが、冷えはあくまで感覚のものですので、実際に冷えている場合もあれば、逆に体は熱体質なのに感覚として冷えを感じる場合もあり、この時に誤って温めると状態を悪化させてしまいます。漢方では、体全体の状態をしっかりとお聴きして状態を把握することがとても大切です。 

冷え性の相談事例

冷えとのぼせを伴う症状 30代女性 
仕事が忙しく、子育てとの両立で疲れがたまっている。最近冬に足首から下の冷えがひどく気になって靴下を2枚重ねたりホッカイロも足裏に貼っているが改善しない。また、暖房のきいた暖かい部屋にいくと、改善されるどころか、顔がほてって気持ち悪く、足も反って冷えるような気がする。症状が酷くなると吐き気がしたりフワフワする。

⇒冷えとのぼせという2つの症状は、一緒になって現れることがよくあります。そもそも熱いものは上昇するという性質をもっていますが、体は血や気を巡らせることによってその熱を下に運ぶことができます。しかし、その機能が衰えたり、ストレスなどで滞留すると、下に行くことが出来ず、その分の熱エネルギーは上へ行き、それに伴って血や気も過剰に上に行くため、頭が重いようなフワフワ感が現れます。
この女性の冷えのぼせの原因としては、過労で体力を消耗して下に熱を運ぶ力が落ちていたことにあると考え、まずは疲労を回復させることを中心にしました。これにより食欲が前より増し、その年の冬はまだ冷えほてりを感じたものの、吐き気やフワフワ感の症状はなくなりました。前より疲れも感じなくなって過ごしやすいとのことで服用を続け、翌年の冬は、足だけの冷えは感じることなく過ごせたとのことです。

Insomnia

不眠症

不眠は、20代の方から80代の方まで幅広く相談を受ける疾患で、原因も様々です。
まず、若い方の原因でよくあるのは心(漢方でいうの五臓のうちの一つ)に関係している場合です。心は血を主るという言葉があるように、血が不足するとその影響がでやすい場所です。また、心は精神との関連も深いことから、血が不足してくると精神も不安定になり、不安で考え込んだり焦りやすくなります。この状態が続くと、血を消耗しやすくなり、さらに不安な状態になるという悪循環に陥り不眠へとつながります。また、この悪循環はもともと血が不足していない場合でも、精神が不安定な状態が続けば発生します。この循環は早く止めてあげないと、時間が経つほど治りにくい傾向にあります。それは消耗が酷いからではなく、不安や焦りといった良くない感情のエネルギーを発生させるエンジンの回転が時間が経つほど早くなり止まりにくくなるからです。最初の方は、西洋薬などでその感情を抑えこむことは可能です。ただ、時間が経って抑えきれなくなってから漢方を始められると中々回復が難しいのが現状です。早め早めの対応が大切と思います。
また、よくご相談を受けるのが、高齢になってから眠れなくなったというご相談です。年齢を重ねますと腎は衰弱してきます。腎と心との関連性は高く、腎が衰弱すると心の状態も乱れます。漢方では腎を補い、心とのバランス調整をはかります。この場合の不眠対策は老化防止にも等しいものですので、即効性は難しいですが、他の変化も期待しながら気長に続けることが必要です。
不眠は女性の更年期にも多くみられますが、この場合は上記腎の衰えによる心への影響とともに、肝の乱れも関連することが多く、更に肝は心にも影響を与えるため、心は二重の打撃を受けることになります。広い範囲にわたっての改善が必要ですが、人によって特にどこが弱いか、乱れが強いかが異なるため、その方に応じた対応がとても大切になってきます。
最近は寝る前のテレビやパソコン、携帯など眠りを妨げるものが増えてきました。また、深夜の食事も眠りのリズムを妨げる原因の一つです。不眠では、生活改善の見直しも重要です。

Diabetes

糖尿病

糖尿病といえば、食生活が主な原因として考えられる場合が多いのですが、他の人と同じように食べていたり、むしろ少ない方からの相談もよく受けます。そのような方たちも、糖尿病=食事制限という印象が強いので、もともと少ない食事量を更に少なくしようと自分を追いつめてしまいます。しかし体質的なものが原因の場合、食事を減らしても、効果が得られないことが多く、むしろ余計に肥満に向かってしまうこともあります。漢方では、なり易い原因を見極め、普通に食べても病気になりにくい体づくりを目指します。
糖尿病の原因は様々ですが、一つに、体全体や一部の機能の働きすぎによるものがあります。人はストレスや睡眠不足などによって体が休めない状態が続きますと、体内部の機能も休むことを忘れてうまく休むことができなくなります。常に働いているような状態が続きますと、体の消耗も激しくなり、内臓の働きも悪くなり、それによって悪くなった臓器の一つが膵臓と考えます。
そこで漢方では、膵臓に対して何かをするのではなく、休むことが出来なくなった体の暴走を止めるよう働きかけることで自然と体の消耗が減り、内臓の働きも戻ってくることをねらいます。また、何年も激しい消耗が続いた場合、暴走を止めてあげるだけでは働きが戻らないことがあります。そのような時は、体の消耗を補うように働きかける必要があります。また更に酷い消耗の場合、体全体が傷ついてしまい、血流にも影響が及んでいることもありますが、こうなると回復しにくいこともあります。
一方、食べ過ぎて糖尿病の方たちも相談に来られますが、このような方に対して、病気なのになぜ我慢ができないのかと思われるかもしれません。しかし、旺盛な食欲を抑えるというのはとても苦しいものです。漢方では、ある食欲を無理やり我慢しながら改善していくのではなく、食欲が抑えられないこと自体を何らかの体のバランスの乱れによると考えていますので、漢方によって自然と食欲が減ることを目指します。
糖尿病は長期になるほど体への負担も大きくなりますし、治りにくくなりますので、早めの対策が重要です。また、食生活だけでなく、睡眠不足やストレスなどの影響も大きいと考えますので、生活全体の見直しが必要です。

Skin Conditions

アトピーなどの皮膚疾患

痒みはとても辛く、深刻な悩みとしてご相談をうけますが、痒みは特に夜に強くなることが多いことから、眠れない日が続くと精神的な負担も大きくなります。
痒みの要因としては大きく2つに分けられます。一つは体に過剰な栄養素やストレスなど体にとって不必要なものをため込んだ場合です。体はそれらを排除しようと攻撃態勢に入りますが、この態勢に入ってしまうと、外からちょっとした異物が侵入しただけでも必要以上に攻撃をしかけ、皮膚に痒みや炎症を引き起こします。この場合漢方では、攻撃態勢を解除させ、不要なものを取り除くように働きかけるとともに、ため込みやすい体質を改善することで再発しにくい体づくりをしていきます。ただ、不要なもの、ため込みやすい体質は、一人一人異なりますので、状態、体質に応じた対応をしなければなりません。
もう一つの要因としては、体の消耗が激しく、漢方でいう血や水が不足したことによるものです。体内には陰と陽がお互いを制御することでバランスを保っていますが、陰にあたる血や水が不足すると、陽をコントロールする能力を失って、陽気が暴れだすことで痒みが起こります。では、血や水を補えばいいとなるのですが、消耗が激しい要因を取り除かなければ、いくら補ってもまたすぐに消耗しまいます。消耗の原因は人によって様々です。よく、乾燥タイプにはこれが効く、などの紹介がでていますが、原因の原因を見極めなくては一旦はよくなっても再発してしまいます。
当薬局の漢方の目的は、痒みの原因を解決して再発しない体にすることです。漢方を服用すると一旦症状が悪化することがよくあります。漢方が悪いものを外へ出そうと皮膚の代謝を活発にさせることで起こるのですが、これは過去に西洋薬を使用していた場合によくみられます。西洋薬は症状が表面にでないように抑制するのですが、漢方は抑制されていたものを解放しようとするためと考えられます。
症状がでるのは辛いのですが、多くはそれを乗り越えた後に症状が落ち着いてきます。ただ、一旦症状が悪化すると、痒みと共に外見が気になるためしばしば継続に迷いが生じます。また、一旦症状が落ち着いてからも、季節が変わると再び症状が出現することもあります。これは、季節の変化によって体も変化することで生じると考えられますが、漢方が四季を通しての体の変化に対応することで、翌年は季節が変わっても症状が軽いことが多くあります。
漢方は今の外見をよくするためでなく、今後を内も外も良い状態で保つのためのものです。
根本から改善させるには、迷いに負けず、強い意志をもって継続することが必要です。

皮膚疾患の相談事例

20代 男性
5年前から痒みが出始め全身に広がっていった。病院で漢方を一年服用したが改善されなかった。皮膚科に通い、光線療法とステロイドを使用する治療を3年ほど受けたが良くならず治療を断念した。その後一年ほど何も治療を受けていない状態で来局。頭皮から足の甲まで強い痒みがあり、赤い皮膚の上に白いもろもろの薄い皮膚がかぶさったような状態。シャワーをするとその皮膚が剥がれて赤い皮膚があらわれガサガサしている。掻いてかさぶたになり、そこを再び掻くとはかさぶたが剥がれて血が出る状態を繰り返している。肌の症状の悪化と共に抜け毛が多くなり髪の量が薄い。見た目が気になるためあまり外出しない。夏以外はひどく、特に冬になるにつれて急激に悪化する。このほか強い顔のほてりが一日中あり、眼の充血もひどい。動悸や胸の痛みも気になっている。かなり寒がり。
漢方を1月から服用。顔のほてりが顕著に減り、目の充血も減った。動悸や胸の痛みは0になり、以来その症状は出ていない。肌の痒みと赤みもかなり減り、楽になっているの感じている。抜け毛も減った。肌の乾燥は相変わらず。

2月を過ぎたころから、顔のほてりや痒み赤みが再び悪化したが、3月になって急に減りだした。目の充血もかなり減った。
その後も痒みや赤みは徐々に減り、見た目が気にならなくなって外出することが多くなった。秋になり寒くなりだしたが、症状は落ち着いている。12月に一時的にほてり、痒みが強くなったが、以前のように酷くはならなず、見た目も気にならずに春を迎えられた。冷えも前年よりは気にならなかったとのこと。
⇒この方の場合、症状が特に冬に悪化しており、これは冷えとも関係しています。ただ表面的には熱を強く持っているため、単に温めてしまうと症状は悪化します。そのため、熱をうまく散らしつつ体自身で温められる力をつけてあげるようにしました。

今回、服用一か月くらいの間は症状が急に良くなりましたが、2カ月目にぶり返しがありました。これは、肌以外の症状でもよくあることで、漢方は体の悪いバランスをいい方向へ引っ張ってくれるものですが、初めてか、久しぶりに漢方を服用すると、体は引っ張られることへの構えができていないので、急激に良いバランスの方へ引っ張られます。しかし、しばらくすると体の方も悪いバランスの方へ引っ張る構えができるので、もとの悪い状態へ引き戻そうとしてこのような状態が起こると考えられます。

ただ、悪い方へ引き戻そうとする力は、体の悪い癖のようなものなので、服用を続け、いい癖を覚えさせるうちに、引っ張ることを忘れてくれます。リバウンドとは、心理的にも辛いものですが、漢方ではこれを乗り越えることがどうしても必要になります。

Allergies

花粉症

花粉症は、西洋では免疫の過剰反応とされ、その反応を抑制する治療法が主ですが、漢方では過剰反応の起こる原因を考えていきます。花粉の季節といえば春や秋ですが、最近では年中花粉症のような症状に悩んでいる方も多くみかけます。
~原因について~
体内では、五臓六腑の働きのそれぞれが、強すぎず弱すぎず存在することでバランスが保たれています。どれが強すぎても少なすぎてもどこかに負担が生じますが、そうなっても体は正常の動きを保とうとします。重りを付けたような状態で必死で働き、余裕もなく、ピリピリとした緊張状態です。こんな時、外から訪問客が入ってくると、今忙しいのに!と怒りが爆発し、非常な邪魔もの扱いで徹底的に払いのけられます。これが花粉症の症状と考えます。
~改善方法について~
花粉症はとりあえず症状を抑えればいいと考えられがちですが、症状を抑えることは、怒りの言葉を発する口を塞ぐようなもの。発散できない怒りは益々つのるばかりです。また、入ってくる入口を塞ぐという手もあるでしょうが、花粉症は、内部のひずみを伝えてくれる情報伝達屋さんのようなものです。塞げば症状は楽になるでしょうが、内部のひずみの情報はもう伝わってきません。
漢方では、症状を抑えたり、入らない状態にするのではなく、入ってきても症状がでない体を目指します。まずはピリピリとした緊張状態を緩和してあげることで症状は減りますが、これではまだ理想の状態とはいえません。花粉症といえども、体質改善が必要です。
花粉症は一度なってしまったからといって一生ものとは限りません。あくまで原因は体内にあり、花粉は誘発剤と考えます。 

花粉症の相談事例

60代  女性
10年程前から5月末から7月にかけてくしゃみと鼻水がひどい。目は痒みだけでなく涙が大量にでてくる。もともと眠りが浅くトイレによく起きていたが、花粉症の時期には鼻づまりで更に眠れなくなるので日中が眠くて仕方がない。西洋薬を服用すると多少は楽になるが、だるくなるのでなるべく服用したくない。

漢方を服用一回目からくしゃみを連発し、鼻水の量も増え、目の症状は相変わらずの状態が一週間ほど続いた。その後少しずつこれらの症状が減り、服用3週間ほどでほとんど症状がでなくなり、一か月経つと症状は全くでなくなった。睡眠についても、症状がでない時期よりもよく眠れるようになり、トイレで起きることもなくなった。その後1か月継続して服用はやめたが、3年経つ今でも症状はでていない。

⇒この女性は血液検査で貧血等の数値ではなかったものの、漢方からみて血や体を潤す役割のものが不足しており、これによるバランスの乱れが花粉症や不眠の根本的な原因と考えました。そこで、漢方薬は体自らでその不足を補える力をつけることを目標にしましたが、最初は
逆に症状が酷くなりました。これは、体のバランスが修正される際に悪い症状が一旦強く出現する瞑眩反応と考えられ、この反応ののちに症状が改善されます。漢方では、花粉症といっても改善方法に決まりがあるわけではありません。あくまでもその方の体質を把握してバランスを整えることを基本としています。

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