急に暑くなってちょっと疲れ気味の方もおられると思いますが、反して虫たちの行動はどんど
ん活発になり、人間を困らさせることも多くなってきました。虫退治のための商品は次から次
へと新しいものが登場し、研究が盛んにおこなわれていることでしょう。一方、将来芽が出る
可能性を秘めている基礎研究の方はあまり盛んではないようです。
5月25日の日経新聞の「池上彰の大岡山通信」というコーナーには、最近の大学は、世の中で
すぐに役に立つ教育や研究に重点が置かれつつあることが書かれていました。すぐにお金にな
る研究でないと資金がもらえないといったことが背景にあるようですが、大学がビジネスに走
りつつあるのは悲しいことです。
今必要なものが何かというのは分かりやすいものです。そしてそのための研究には成果にスピ
ードが求められます。
一方、将来何が必要とされるかは、激しい時代の変化の中でなかなか読めるものではありませ
ん。今どう役に立つか分からない研究にその可能性が隠れていると思います。ただ、今必要な
ものに対する研究よりも的が絞りにくいため、よりたくさんの実験、結果をだしていくことが
必要で、とても時間が掛かかります。しかし、こうやってこつこつと積み上げていったものは
将来、並んで速さを競い合ってきた研究とは違った、幅広い応用のきく、揺るぎないものを生
み出すかもしれません。
漢方薬はもちろん今の症状をとるために飲まれることが多いですが、即効性がない場合があっ
たり、目的とは違った所に変化が現れることもあったり(体全体に作用するため)と、「~に
はこの薬!、早く効く!」のような歌い文句は言えません。
しかし、将来の自分にとって、今即効の結果をだすことが必ずしもいいことと言えるでしょう
か?今が良ければいいとして安さと即効性だけを求めても、将来病気になれば入院、介護費用
だけでなく、自由な生活が送れない心の苦しみが伴います。
漢方が目指すものの一つは、柔軟性があり、様々な生活の変化に耐えられる、病気になりにく
い体作りです。漢方は一見高そうです。しかし、今だけでなく、将来への投資です。
5月31日「将来への投資」
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